HOME > 貿易の試験を受けよう

通関士試験 直前対策

  ラスト1か月、直前の通関士試験対策をお話しします。

@ 不合格科目を克服する

 ご存知のように、通関士試験に合格するには、それぞれの科目に60%以上の得点が必要になります。ひとつでも60%

以下の得点があると合格できません。つまり、苦手な科目、不得手な科目を残しながら受験することは、得策ではありませ

ん。これからの少ない時間は、不得意科目の克服に最大限の時間と努力を傾けましょう。

A 通関実務対策

 皆さんが不得意科目、得点を取るのに難しく感じる科目として「通関実務」があります。輸出申告書、輸入申告書、課税価

格に関する問題です。ここで、合格ラインの60%に及ばない方が多く見受けられます。輸出入申告書の作成、NACCSの

対策、課税価格に関する問題を中心に学習しましょう。過去問題を最大限に活用して、通関実務の問題の解き方、時間配

分をしっかりと把握しておきましょう。

B 通関業法では確実に加点する

 「通関業法の問題は、取りやすい」と言われます。ここで、確実に得点を稼ぎましょう。通関業法も問題は比較的簡単に

理解できます。また、試験当日の第一科目です。9:30から10:20の50分で勢いをつけましょう。通関業法で躓いてしまうと、

合格が厳しくなります。

C 試験時間の確認と取り組み方

  休日は、試験時間に合わせた取り組み方を試みましょう。土曜日、日曜日の休日は通関士試験の試験時間に合わせて、

模擬試験や試験問題に挑戦しましょう。9:30から10:20までは通関業法に関する問題対策。50分という時間をしっかりと

把握しましょう。次に、11:00から12:40までは関税法の問題に取り組みましょう。ここでは1時間40分という長い時間があり

ます。この試験時間を体感として感じ取ることが大切です。さらに、通関実務は13:50から15:20です。1時間30分の試験

時間がありますが、1つの設問に引っかかってしまうと、時間がなくなるものです。最後の最後に慌てないように、1時間

30分をフルに使って、問題を解く経験を積みましょう。つまり、通関士試験は1日がかりということです。

D 過去問題の活用とヤマを張る

 過去問題の徹底活用を図ります。過去問題を解くことは、とても大切です。また、過去問題に触れることで、流れや傾向を

把握することができます。そして、思い切ってヤマ勘を働かせるのも大切です。この辺がくさい、この辺が出題されるのでは

ないか。勝手な思い込みは時には大きなチャンスを与えてくれます。

E 身近な合格者からアドバイスをもらう

 身近な合格者がいたら、ぜひアドバイスを受けましょう。実務経験がなくても、合格する方はたくさんいます。合格者には、

他の人にはない、何か工夫やポイント・秘訣があるはずです。この追い込み期間である、あと1か月で身近に合格者を

見つけて、ぜひ、アドバイスを受けることです。

F 昨年の問題を参考に対策を練る

 昨年の通関士試験問題を参考に、その対策を考えていきましょう。

 通関業法関連問題 1問から10問

 まずは通関業法関連の問題で、問題数は20問、時間は50分です。選択式の問題が第1問から第5問まであります。ここは

しっかりと加点すべきところです。文章の中に最適の用語を挿入する問題ですが、これは基本的な知識がある方でしたら、

問題はないはずです。確実に加点していきましょう。通関業法の基本的な条文をしっかりと把握しましょう。

 通関業法関連問題の第6問からは、同じ選択式ですが、5つの文章から正しいものを選択する問題です。これはちょっと

難しいかもしれません。昨年の問題を見てみると、正解の問題を選ぶ場合、解答が複数あります。正しいものを1問、また

は誤ったものを1問選ぶのは比較的簡単ですが、このように、5問のうち正解が2問のときも3問のときもあります。こういった

問題にちょっと戸惑います。つまり、それぞれの問題文をしっかりと理解できる力が問われます。

 通関業法関連問題 11問から20問

 通関業法関連問題の第11問からは、択一式問題です。つまり、正解を1問選ぶ問題です。ただし、ここでも注意する点が

あります。私は貿易実務の試験問題をいろいろ作成した経験から考えると、5問の場合、まったく異なるものが1つあり、すぐ

にこれは違うと判断できます。次に、これも多分違うと思うものが2問あります。ここまでは、すぐに絞り込みができます。

問題はこの次です。2つのうち、どちらかが正解なのですが、ここがちょっと厄介です。作成者からすると、いわゆる引っか

け問題を作成しやすいのです。ちょっとした言葉尻や、文章の最後の表現等をしっかりと読み取らないと、間違えてしまい

ます。問題を慎重に、何回も読み返すこと、ここで時間を費やしてしまいます。問題を一覧して、簡単なところから確実に

回答して、加点を増やしましょう。


 通関業法関連の第11問から第20問までの10問には、時間がかかりそうです。前半の10問で、時間を使わないようにして、

第11問からの問題に取り掛かることが必要です。この10問の択一式問題を20分から25分で確実に回答できる練習が必要

になると思います。

 何回も言いますが、通関業法で確実に合格ラインを獲得しないと、間違いなく通関士試験に合格しません。ここは、

「確実、アンパイ」のつもりで臨みましょう。

G 関税法問題

 関税法にかんする問題を見ていきましょう。


〇第1問から第5問

 第1問から第5問までが選択式です。問題文の中に適当な語句を選択肢から選ぶ問題です。関税法の条文をしっかりと

理解しておけば、確実に加点できると思います。出題される条文は、ある程度決まっているような気もします。関税の確定

や輸出通関、輸入通関、関税の納期限などは、問題の方法は異なっても、必ず問われる条文だと思います。文章に挿入

する語句の選択に関して、大きな間違いをすることはないと思います。似たような語句を入れる時だけ、慎重に選択をしま

しょう。

〇第6問から第15問

  第6問から第15問までは同じ選択問題ですが、ここは5つの文章から正しいものを選ぶ問題です。ただし、選択するもの

が複数あるので、確実に文章を理解し、正しい文章か、誤った文章かを選ばなければなりません。その点で言えば、5つの

問題文を確実に内容を把握していることが問われます。

〇第21問から第30問

  第21問から第30問までは、同じ選択問題です。正しいものを1つ選ぶだけでしたら、比較的簡単だと思いますが、すべて

正しくないと判断した場合は「0」をマークすることになります。やはり5つの文章内容をしっかりと把握できていないと加点が

難しいです。正しいものを1つ選んだときに、この1つが本当に正しいのか、そうではないかを最後にしっかりと再確認するこ

とが問われます。

  第21問から第30問までの10問には、時間が取られると思います。関税法の問題は全部で30問。時間は100分。つまり、

1時間40分です。時間は十分な気がしますが、最後の10問は難関かもしれません。ここで加点できないと、全体的に60%

がちょっと難しくなるかもしれません。


みなさん、頑張ってください!!